ヘルメット(保護帽)の豆知識
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目 次
使用上の警告・注意事項
● 保護帽及び電気用帽子は、それぞれ厚生労働省の規格「保護帽の規格」及び「絶縁用保護具等の規格」に適合することを検定により確認され ることが必要であり、型式検定合格品には労・検のラベルが貼付されています。
● 厚生労働省の「保護帽の規格」及び「絶縁用保護具等の規格」は、頭部の安全を確保するための最低限度の基準を定めたものであって、自ら 保護性能には限界があります。従って労・検のラベルは絶対的に安全性を保証するものではありません。使用にあたっては最大限の注意を 払い、常に安全な作業ができるように、この取扱説明書に従って使用して下さい。
本項目では正しい取扱に関する安全上大切なお知らせを下記のシンボルマークで表示しています。
警告 この項目の内容どおり正しく守らないと、生命または頭部に重大な傷害を及ぼすことを意味しています。
注意 この項目の内容どおり正しく守らないと、頭部に傷害を及ぼすことを意味しています。
警告・注意
警告(生命または頭部に重大な傷害を及ぼします。)
- ① 一度でも大きな衝撃を受けたら、外観に異常がなくても使用しないで下さい。
(衝撃を受けた保護帽または電気用帽子は性能が低下しているので、次に衝撃を受けたとき頭部を十分に保護することができません。)
- ② あごひもは必ず正しく締めて着用して下さい。(事故のとき保護帽が脱げて、頭部に重大な傷害を受けます。)
- ③ 保護帽または電気用帽子を改造や加工をしたり、部品類を取り除かないで下さい。
(保護帽または電気用帽子は、各部品の全体のバランスで性能を発揮できるように設計されています。改造したり部品を取り除くと頭部が保護できなくなります。)
- ④ 購入後、期間の長い保護帽または電気用帽子は使用しないで下さい。特に帽体の材質を確かめて、PC、PE、ABS等の熱可塑性樹脂製 の保護帽または電気用帽子は、異常が認められなくても3年以内、FRP等の熱硬化性樹脂製の保護帽は5年以内に交換して下さい。防災用として使用する場合でも、使用期間が長いヘルメットは使用しないで下さい。
※ 異常が認められなくても使用開始をしてから、若しくは防災用ヘルメットとして購入し、保管を始めてから6年を経過の防災用ヘルメッ トは交換して下さい。
- ⑤ 着装体は1年位で交換してください。構成される部品に劣化、異常が認められた場合は直ちに交換してください。ただし、衝撃吸収ライナーについて、帽体と一体になっている場合は、帽体の交換基準に準じて交換してください。
- ⑥ バイザー(ひさし)脱着式の電気用帽子の耐電圧性能は帽体のみに適用されます。電気用で使用する場合はバイザー(ひさし)は外さないで下さい。
注意(機能や性能に影響を与え、保護帽及び電気用帽子本来の性能を損ない、頭部に傷害を及ぼします。)
- ① ヘッドバンドの調節が悪いと、使用中ぐらついたり脱げ易く、保護性能を十分に発揮することができません。
- ② メーカー指定以外の部品、付属品を取り付けないで下さい。(機能が低下したり、性能が損なわれます。)
- ③ 着装体及び部品の交換の際はメーカーに相談のうえ行って下さい。(間違って取り付けをすると機能が低下したり性能が損なわれます。)
- ④ 炉前、乾燥炉内、投光器のすぐ近く等のような高温の場所での長時間作業はしないで下さい。(材質が変質、変色や変形を起こし、性能が 低下します。)
- ⑤ 夏季の自動車内や暖房機のすぐ近く等のような50℃以上の高温になる場所や、直射日光の当たる場所に長時間放置しないで下さい。(材質が変質、変色や変形を起こし、性能が低下します。)
- ⑥ メーカー指定以外の塗料を用いて帽体の塗装をしないで下さい。(帽体の材質が侵され、性能が低下します。)
- ⑦ 保護帽または電気用帽子に腰掛けたり、物を入れて運んだりしないで下さい。(保護帽または電気用帽子が変形し、着装体、衝撃吸収ライ ナー、帽体等を傷つけ性能が低下します。)
- ⑧ 保護帽または電気用帽子を床等に放り投げると、衝撃で帽体の材質を傷め性能が低下しますので、保護帽または電気用帽子は丁寧に扱って下さい。)
- ⑨ メーカー指定以外のラベル、ステッカ一類等は貼付けないで下さい。(薬品、粘着材等によって帽体が侵されたり、電気用帽子は耐電圧性 能が低下します。)
- ⑩ 帽体の汚れは中性洗剤を湿した布で拭き取り、清水ですすいだ布で拭いて下さい。(ベンジンまたはシンナー等の有機溶剤の使用は、帽 体の破損、クラック、表面の溶け、シール剥がれの原因となり、また衝撃吸収ライナーの材質を傷めます。)
保護帽の性能試験
性能試験 労働安全衛生法規格検定による
(1)耐貫通性試験
区分 | 試験方法 | 性能 |
---|---|---|
飛来落下用 | 1.保護帽を、当該保護帽のヘッドバンドが人頭模型に密着しない状態で装着し、重さ3キログラムの円すい形ストライカを1メートルの高さから当該保護帽の頂部を中心とする直径100ミリメートルの円周内に自由落下させる。 2.頂部すき間(着用者の頭頂部と帽体内頂部との間げきをいう。以下この号及び第8条1項において同じ。)を調整することができる保護帽について前号の試験を行う場合には、頂部すき間を最短にして行うものとする。 |
当該円すい形ストライカの先端が人頭模型に接触しないものであること。 |
墜落用 | 帽体を試験用ジグの頂部リングに、それぞれ、落下点が帽体の前頭部、後頭部及び両側頭部になるようにかぶせ、重さ1.8キログラムの円すい形ストライカを0.6メートルの高さから自由落下させる。 | 当該試験用ジグの頂部リングの上端から帽体内部のくぼみの最下降点(円すい形ストライカの先端が帽体を貫通した場合にあっては、当該円すいストライカの先端)までの垂直距離が15ミリメートル以下であること。 |
(2)衝撃吸収性能試験 ★前処理条件:衝撃吸収性試験を行う場合は次に示した前処理を完成品のまましなければなりません。
区分 | 方法 |
---|---|
高温処理 |
その温度が48度以上52度以下である場所に継続して2時間置く方法 |
低温処理 |
その温度が零下12度以上零下8度以下である場所に継続して2時間置く方法 |
浸せき処理 |
その温度が20度以上30度以下である水の中に継続して2時間置く方法 |
区分 | 試験方法 | 性能 |
---|---|---|
物体の飛来又は落下による危険を防止するための保護帽 | 1.保護帽について、高温処理、低温処理又は浸せき処理(以下この表において「高温処理等」という。)をした後、それぞれ、当該保護帽のヘッドバンドが人頭模型に密着しない状態で装着し、重さ5キログラムの半球形ストライカ(日本工業規格G3101(一般構造用延鋼材)に定めるSS400の規格に適合する鋼材を材料とし、かつ、半径48ミリメートルの半球形衝撃面を有するものに限る。)を1メートルの高さから当該保護帽の頂部に自由落下させる。 2.前号の試験は、高温処理等をした後、1分以内に終了するものとする。 3.頂部すき間を調節することができる保護帽について第1号の試験を行う場合には、頂部すき間を最短にして行うものとする。 |
人頭模型にかかる衝撃荷重(以下この表において「衝撃荷重」という。)が4.90キロニュートン(500キログラム)以下であるということ。 |
物体の落下による危険を防止するための保護帽 | 1.保護帽について、高温処理をした後、それぞれ、中心線が水平に対し30°傾斜している人頭模型に衝撃点が保護帽の前頭部及び後頭部となるように装着し、重さ5キログラムの平面形ストライカ(日本工業規格G1301(一般構造用圧延鋼材))に定めるSS400の規格に適合する鋼材を材料とし、かつ、直径127ミリメートルの衝撃面を有するものに限る。)を1メートルの高さから自由落下させる。 2.前号の試験は、高温処理等をした後、3分以内に終了するものとする。 3.装着部を有する保護帽について第1号の試験を行う場合には、当該装着体のヘッドバンドが人頭模型に密着しない状態で装着して行うものとする。 |
1.衝撃荷重が9.81キロニュートン(1,000キログラム)以下であること。 2.7.35キロニュートン(750キログラム)以上の衝撃荷重が1,000分の3秒以上継続しないこと。 3.4.90キロニュートン(500キログラム)以上の衝撃荷重が1,000分の4.5秒以上継続しないこと。 |
(3)耐電圧性試験 絶縁用保護帽に対する性能規定は次の通りです。
絶縁用保護具の種類 | 性能電圧 | |
---|---|---|
交流の電圧が300ボルト~600ボルト以下の電路について用いるもの |
種類に応じその電圧に1分間耐えること |
3,000ボルト |
交流の電圧が600ボルト~3,500ボルト以下又は 直流の電圧が750ボルト~3,500ボルト以下である電路について用いるもの |
12,000ボルト |
|
電圧が3、500ボルト~7,000ボルト以下である電路について用いるもの |
20,000ボルト |
絶縁用保護帽は着用したときに容易にずれたり、脱落しない構造でなければなりません。また使用の目的に適合した帽体の性能があり、かつ品質が均一で、傷、気泡、巣等の欠陥がないものと規定されています。
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保護帽の着用規定
1.物体の飛来又は落下による労働者の危険を防止するための保護帽
労働安全衛生規則 | |
---|---|
規則 | 作業内容 |
194条の7 | ジャッキ式つり上げ機械作業(建設工事の作業を行う場合においてジャッキ式つり上げ機械を用いて荷のつり上げ、つり下げ等の作業) |
366条 | 明り掘削の作業 |
412条 | 採石作業 |
464条 | 港湾荷役作業 |
484条 | 造林等の作業 |
497条 | 木馬又は雪そりによる運材の作業 |
516条 | 林業架線作業 |
517条の10 | 施行令第6条第15号の3の作業 橋梁の上部構造(高さ5m以上又支間が30m以上)の架設、解体作業又は変更作業 |
517条の19 | 施行令第6条第15号の5の作業 コンクリート造り工作物(高さ5m以上)の解体、又は破壊作業 |
517条の24 | 施行令第6条第15号の6の作業 橋梁の上部構造でコンクリート造り(高さ5m以上又支間が30m以上)の架設、又は変更作業 |
539条 | 船台の附近、高層建築物等の場所でその上方にて他の労働者が作業を行っているところで作業するとき |
2.墜落による労働者の危険を防止するための保護帽
労働安全衛生規則 | |
---|---|
規則 | 作業内容 |
151条の52 | 最大積載量が5トン以上の不整地運搬車に荷を積み卸しの作業(ロープ掛け及びシート掛け又ロープ解き及びシート外し作業を含む) |
151条の74 | 最大積載量が5トン以上の貨物自動車に荷を積み卸しの作業(ロープ掛け及びシート掛け又ロープ解き及びシート外し作業を含む) |
435条 | はいの上における(作業の箇所の高さが床面から2m以上)作業 |
3.電気による労働者の危険を防止するための絶縁用保護具
労働安全衛生規則 | |
---|---|
規則 | 作業内容 |
341条 | 高圧活線作業(高圧の充電電路の点検、修理等当該充電電路を取扱う作業) |
342条 | 高圧活線近接作業(電路又はその支持物の敷設、点検、修理、塗装等の電気工事の作業) |
343条 | 絶縁用防具の装着等(絶縁防具の装着又は取り外しの作業) |
346条 | 低圧活線作業(低圧の充電電路の点検、修理等当該充電電路を取扱う作業) |
347条 | 低圧活線近接作業(低圧の充電電路に近接する場所での電路又はその支持物の敷設、点検、 修理、塗装等の電気工事の作業) |
351条 | 絶縁用保護具等の定期自主検査 事業者は、第348条第1項各号に掲げる絶縁用保護具等(同項第5号に掲げるものにあっては、交流で 300Vを超える低圧の充電電路に対して用いられるものに限る。以下この条において同じ。)については、6ケ 月以内ごとに1回、定期に、その絶縁性能について自主検査を行わなければならない。ただし、6ケ月を超える 期間使用しない期間においては、この限りでない。 2.事業者は、前項ただし書の絶縁用保護具等については、 その使用を再び開始する際に、その絶縁性能について自主検査を行わなければならない。3.事業者は、第1項 又は第2項の自主検査の結果、当該絶縁用保護具等に異常を認めたときは、補修その他必要な措置を講じた 後でなければ、これらを使用してはならない。4.事業者は第1項又は第2項の自主検査を行ったときは、次の事 項を記録し、これを3年間保存しなければならない。第1項又は第2項の自主検査を行ったときは、次の事項を記 録し、これを3年間保存しなければならない。(1)検査年月日(2)検査方法(3)検査箇所(4)検査の結果(5)検査 を実施した者の氏名(6)検査の結果に基づいて補修等の措置を講じたときは、その内容 |
4.労働安全衛生規則において作業主任者の職務として保護帽の使用状況を 監視することがきめられている作業
労働安全衛生規則 | |
---|---|
規則 | 作業内容 |
151条の48 | 積み卸し 一つの荷でその重量が100kg以上のものを不整地運車に積む作業 (ロ ープ掛け作業及びシート掛け作業)又は卸す作業 |
151条の70 | 積み卸し 一つの荷でその重量が100kg以上のものを貨物自動車に積む作業 (ロ ープ掛け作業及びシート掛け作業)又は卸す作業 |
247条 | 施行令第6条第14号の作業 型わく支保工の組立等の作業 |
360条 | 施行令第6条第9号の作業 地山の掘削作業(掘削面の高さが2m以上) |
347条 | 低圧活線近接作業(低圧の充電電路に近接する場所での電路又はその支持物の敷設、点検、 修理、塗装等の電気工事の作業) |
375条 | 施行令第6条第10号の作業 土止め支保工の切ばり又は腹おこしの取付け又は取リはずし作業 |
383条の3 | 施行令第6条第10号の2の作業 ずい道等の掘削等の作業 |
383条の5 | ずい道等の覆工作業 |
404条 | 施行令第6条第11号の作業 採石のための掘削作業(掘削面の高さが2m以上となる採石法第2条に規定する岩石の採取のための 掘削の作業) |
429条 | はい作業 |
514条 | 施行令第6条第3号の作業 林業架線作業 |
517条の5 | 施行令第6条第15号の2の作業 建築物等の鉄骨の組立等作業 建築物の骨組み又は塔であって金属製の部材により構成されるもの(その高さ5m以上)の組立、 解体又はその変更作業 |
517条の9 | 施行令第6条第15号の3の作業 鋼橋架設等作業 |
517条の13 | 施行令第6条第15号の4の作業 木造建築物の組立等作業 |
517条の18 | 施行令第6条第15号の5の作業 コンクリート造りの工作物の解体等作業 |
517条の18 | 施行令第6条第15号の5の作業 コンクリート造りの工作物の解体等作業 |
517条の23 | 施行令第6条第15号の6の作業 コンクリート橋架設等作業 |
566条 | 施行令第6条第15号の作業 足場の組立作業 |
クレーン等安全規則 | |
---|---|
規則 | 作業内容 |
33条2-3 | クレーンの組立て又は解体の作業 |
75条2-3 | 移動式クレーンのジブの組立て又は解体の作業 |
118条2-3 | デリックの組立又は解体の作業 |
153条2-3 | エレベーターの昇降路塔又はガイドレール支持塔の組立て又は解体の作業 |
347条 | 低圧活線近接作業(低圧の充電電路に近接する場所での電路又はその支持物の敷設、点検、 修理、塗装等の電気工事の作業) |
191条2-3 | 建設用リフトの組立て又は解体の作業 |
保護帽の構造
保護帽及び電気用帽子の構造
番号 | 名称 | 備考 | |
---|---|---|---|
① | 帽体 | 頭部を覆う、硬いかく(殻)体 | |
② | 着装体 | ハンモック | 保護帽または電気用帽子を頭部に保持し、当 たりを良くして衝撃を緩和する部品 |
③ | ヘッドバンド | ||
④ | 環ひも | ||
⑤ | 衝撃吸収ライナー | 発泡スチロール製等の衝撃を吸収するための 部品(梱包材料ではありません) | |
⑥ | あごひも | 保護帽または電気用帽子が脱落するのを防止 するための部品 |
保護帽及び電気用帽子は、帽体、着装体、衝撃吸収ライナー (製品による)、あご ひも等の部品によって構成されています。これらの部品の一部でも性能が低下 すれば、危険を防止または軽減することができなくなります。
POINT
帽体
材質はFRP(ガラス繊維強化プラスチック)、ABS、PCとあります。作業に 適したものをお選び下さい。蒸れるからといって、勝手に穴をあけたりする と極端に帽体の強度が弱くなってしまうので危険です。その場合は「通気孔あり」を選んで下さい。
つば
飛来落下物や前面の障害物から保護してくれる大切なものです。狭い場所での作業には、つばのないタイプもあります。
アゴひも
ヘルメットが外れるのを防ぎます。「遊び」があるとイザというときに役立たない恐れがあります。しっかりと締めましょう。
ハンモック
帽体とのコンビで衝撃を吸収する大切な部分です。帽体だけの時に比べる と約40ミリのアキとハンモックの効果で衝撃を10分の1に緩和してくれ るのです。大切な部分ですから1年位で取り替えるようにしましょう。
衝撃吸収ライナー
墜落用には必ず帽体とハンモックとのアキの部分に衝撃吸収ライナーが 入ります。これで更に衝撃の吸収カを高めます。勝手にライナーを取ってしまうと墜落用として使えませんのでご注意下さい。
ヘッドバンド
この二重のヘッドバンドでサイズを調節し、自分の頭に合わせましょう。 上で頭の大きさに合わせ、下で上下のぐらつきを防ぎます。頭のサイズ(セ ンチ表示)を参考にして下さい。きっちり被ることが安全につながり、疲れ 具合も随分ちがいます。
保護帽の仕様区分
保護帽の使用区分(種類)、構造、機能
労・検ラベルに記載されている飛来・落下物用とは、上方からの物体の飛来または落下による危険を防止または軽減するためのものです。墜落時保護用とは、倉庫に積まれた荷の上、車両の上等や足場あるいは安全帯が使用できない場所からの墜落による危険を防止もしくは軽減するためのも のであって、構築物や電柱などのような、高所からの墜落による危険までも防止できるものではありません。電気用とは、使用電圧7,000V以下で 頭部を感電による危険から防止するためのものです。なお、ヘルメットが濡れている場合は7,000V以下でも感電するおそれがありますので、電気工事等で使う場合はヘルメットが乾燥した状態でお使い下さい。
使用区分(種類) | 構造 |
---|---|
飛来・落下物用 |
帽体、着装体、及びあごひもを持つもの |
墜落時保護用 |
帽体、着装体、衝撃吸収ライナー、及びあごひもを持つもの |
飛来・落下物用 墜落時保護用 |
帽体、着装体、衝撃吸収ライナー、及びあごひもを持つもの |
飛来・落下物用 電気用(使用耐電圧7000V以下) |
飛来・落下物用 帽体、着装体、及びあごひもを持つもので、帽体が充電部に触れた場合に感電から頭部を保護できるもの |
飛来・落下物用 墜落時保護用 電気用(使用耐電圧7000V以下) |
飛来・落下物用 帽体、着装体、衝撃吸収ライナー、及びあごひもを持つもので、帽体が充電部に触れた場合に感電から 頭部を保護できるもの |
保護帽の材質比較表
帽体の材質によって特性が異なります。適切な材質の保護帽を選択してください。
帽体の材質 \ 性質 | 耐燃・耐熱性 | 耐候性 | 耐電圧性能 | 耐溶剤薬品性 | 備考 | |
---|---|---|---|---|---|---|
熱硬化性 | FPR製 ポリエステル樹脂をガラス 繊維で強化したもの |
◎ | ◎ | × | 〇~◎ | 耐候性、耐熱性には優れるが電気用帽子としては使用できない |
熱可塑性 | ABS製 アクリロニトリル ブタジエン・スチレン |
△~〇 | △~〇 | 〇~◎ | ×~△ | 耐電圧性能には優れるが高熱環境での使用には不向き |
PC製 ポリカーボネート |
〇~◎ | 〇~◎ | ◎ | ×~△ | 耐候性はABSよりも優れているが、溶剤、薬品等には不向き | |
PE製 ポリエチレン |
×~△ | 〇 | 〇~◎ | 〇~◎ | 有機溶剤系の薬品を使用する環境には最適 |
熱硬化性 FPR製 ポリエステル樹脂をガラス 繊維で強化したもの |
|
---|---|
耐燃・耐熱性 | ◎ |
耐候性 | ◎ |
耐電圧性能 | × |
耐溶剤薬品性 | 〇~◎ |
備考 | 耐候性、耐熱性には優れるが電気用帽子としては使用できない |
熱可塑性 ABS製 アクリロニトリル ブタジエン・スチレン |
|
耐燃・耐熱性 | △~〇 |
耐候性 | △~〇 |
耐電圧性能 | 〇~◎ |
耐溶剤薬品性 | ×~△ |
備考 | 耐電圧性能には優れるが高熱環境での使用には不向き |
熱可塑性 PC製 ポリカーボネート |
|
耐燃・耐熱性 | 〇~◎ |
耐候性 | 〇~◎ |
耐電圧性能 | ◎ |
耐溶剤薬品性 | ×~△ |
備考 | 耐候性はABSよりも優れているが、溶剤、薬品等には不向き |
熱可塑性 PE製 ポリエチレン |
|
耐燃・耐熱性 | ×~△ |
耐候性 | 〇 |
耐電圧性能 | 〇~◎ |
耐溶剤薬品性 | 〇~◎ |
備考 | 有機溶剤系の薬品を使用する環境には最適 |
◎特に優れている 〇優れている △やや劣る ×劣る
保護帽の耐用年数
使用期間の長くなった保護帽は、安全のため、異常が認められなくても交換をおすすめします。
材質 | 交換の目安 |
---|---|
FRP製 (熱硬化性樹脂) | 異常が認められなくても使用期間 5年以内 |
ABS、PC、PE製 (熱可塑性樹脂) | 異常が認められなくても使用期間 3年以内 |
着装体 | 異常が認められなくても使用期間 1年以内 |
使用前の点検
着用時に守っていただきたいこと
ヘッドバンドの調節
ヘッドバンドは、頭の大きさに合わせて調節して下さい。
(ヘッドバンドの調節が悪いと、使用中にぐらついたり脱げ易く保護性能を十分に発揮することができません。)
かぶり方
保護帽または電気用帽子はまっすぐにかぶり、後ろへ傾けてかぶらないようにして下さい。(あみだかぶりをしないで下さい。)
あごひも
あごひもはゆるみがない様に締めて下さい。着用中はゆるめたり、外したりしてはいけません。
(事故の時保護帽または電気用帽子が脱げて重大な傷害を受けます。)
※ 保護帽または電気用帽子をかぶり原動機付き自転車を含むオートバイに乗車することは絶対にやめて下さい。
(保護帽または電気用帽子は乗車用安全帽とは設計、製造、性能試験などの目的と方法が全く異なり別のものです。
護帽の使用前の点検/保護帽20のチェックポイント
「労・検」ラベルを確かめて、作業に合った種類の保護帽を使用して下さい。保護帽を「保護帽の20のチェックポイント」によって点検し、 少しでも異常が認められるものは使用してはいけません。部品類に異常が認められた場合は直ちに交換して下さい。(修繕をしないで下さい。)
● 一度でも衝撃を受けたものや、改造されたものは、外観に異常が無くても性能が低下していますので使用しないで下さい。
● イラストは異常な状態を分り易くするため誇張して表現してあります。